バイト先のオンリーワン

お客様との距離

とり呑 1

とり呑

 お店自体が大きくないので、お客様と話す機会が非常に多いんです。料理を運ぶ際に、料理の紹介や食べ方などを説明するだけではなく、「最近急に冷え込んできましたね」のように話題を振ってみたり、気になることを質問してみたりと、『客と店員』という関係だけでは普通はしないじゃないですか。それがここではできるので、only1にしました。

  • 文章/Yutaro Nakase
  • 編集/Tomoya Ikeo・Yumiko Nakanishi
  • Photo/Kazuki Kishiya

Q1.なぜこの店でバイトを始めたんですか?

とり呑 2
 元々バイトを始めた理由が『社会勉強をするため』だったんです。とり呑で働く前は焼肉屋で働いていました。僕は多くの人とコミュニケーションがとりたいと考えていたのですが、キッチンとして働いていたせいで、キッチン内にいるアルバイトの人としか関われず、すぐにやめてしまいました。ですので、次は、お店の人だけでなく、お客様と関われるところでバイトがしたいと考えていました。そうしてバイトを探している時にたまたま見つけたのがこの居酒屋でした。家からもそう遠くなく、お客様も社会人が大半なので、社会勉強にはもってこいの場所でした。もっと早くからここで働いておけばなぁって後悔することもあります(笑)

Q2.バイト中に経験した、お客様との良いエピソードは?

とり呑 3
 ある日、お客様と話していると、偶然にも僕の同級生の両親だということがわかったんですよ。後日、お客様はその同級生の子と一緒に来てくださって、久しぶりに再会することができました。とり呑には学生の方よりも社会人のお客さんがよくいらっしゃるので、この再会は、『客と店員』という距離では絶対に実現はしなかったと思います。こうした会話からの延長が、僕の居酒屋には溢れています。

Q3.Only1に関して、とり呑さんがこだわっていることは?

とり呑 4
 料理ですかね。1年を通してずっとある料理はもちろんですが、季節ごとに変わる旬の野菜を用いた料理にはこだわっていると思います。とり呑では数週間しか出さない料理や、宴会セットでしか出さない料理など、限定料理なども多いと思います。また年によって出す料理が変わることもあり、去年出した料理を今年は出さなかったりとかも。あと、お店の雰囲気にもこだわっていると思います。店員とお客さんの距離だけでなく、お客さん同士の距離も縮まるように、例えば流れてくる音楽のジャンルを変えてみたり、料理が変わるのでその都度メニュー表をアレンジしてみたり等、話のネタになる要素がとにかく多いんです。

Q4.お客さんとの会話が多いということですが、面倒だと感じることは?

とり呑 5
 お客さんは30代以上の方が多く、話してくださること全てが僕にとっては勉強になりますので面倒だとは全く感じないです。むしろ聞けることなら、バイト中ずっと話を聞いていたいくらいです(笑)それくらいタメになる話をしてくださるお客さんがいますし、この会話こそがonly1になる決め手になりました。

もし仮に、チェーン店で働いていたら、このOnly1はどうなっていましたか?

とり呑 6
 店舗が大きくなればなるほど、お客さん一人一人との関わりが薄くなっていくと思います。ですので、この居酒屋のようにお客さんと楽しく会話をすることはできずに『客と店員』というどこにでもある関係のままで、全く別のonly1になっていたでしょうね。よりその人を深く知り、僕のことを知ってもらえるのは、この居酒屋だけだと思います。
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