

渡辺 栞さん
20歳 東京都出身
昔懐かしい風情のある店内が広がる「俺の居酒屋 三蔵」本郷三丁目店で働く栞さん。 自然体でとても素敵です。
1. 座右の銘
工夫をこらして相手のことを想えば、全てがおもてなしとなる
2. テーマソング
たいせつ(SMAP)
3. 尊敬する人・会いたい人
たけちゃん!(武市店長)
4. 夢〜10年後は何をしている
きっと人に幸せな時間を過ごしてもらえるような食空間をつくる仕事をしている!…しててほしいな
5. 自分の好きなところ
天真爛漫
6. 印象に残っているワクワクした瞬間
告白するちょっと寸前
7. これだけは誰にも負けない
3つの大きなところ☆
①声が大きい
②態度が大きい
③身長が大きい
8. 感銘を受けた作品
小宮一慶さんの『「社長力」養成講座』
9. 今はまっていること
鏡月の緑茶割り☆お酒大好き!
10. 同年代の人に一言
頑張らなくてもいい。だけど夢を諦めないで!

『おもてなしの達人』渡辺 栞さん
暑い夏の昼下がり。取材のためお店を訪れると、渡辺さんは暑さも忘れるようなさわやかな笑顔で、私たちを迎えてくれました。
「今日は、本当に暑いですね。こんなに暑い日にお越しいただいて、ありがとうございます」そんな言葉が、オシボリを差し出しながら、さらりとでてくる渡辺さん。

アルバイトをはじめたきっかけ
初めてのアルバイトは大手居酒屋チェーン店での接客でした。
高校3年の8月からで、ほんのお小遣い稼ぎくらいの気持ちで始めました。
でも、その職場が本当に楽しくてすぐにはまってしまって。お店のメンバー同士もすごく仲が良く、サークルのように居心地の良いところで、働いていたんです。
そんな環境で働くうちに、お客様とのふれあいとか、接客という仕事そのものが楽しいということに気がついたんですね。
それからはどんどんこの仕事にのめりこんでいきました。
お小遣い稼ぎが目的だったアルバイトは、いつの間にか自分を成長させてくれる場になっていました。
接客業の面白みを知ってからは、ホテルの宴会スタッフにも挑戦。
けれど結局、私にとって落ち着く場所は居酒屋だったみたいです。

私を変えた「武市店長」との出会い
「武市店長」に誘われてこのお店で働き始めました。武市さんは「私の人生を変えた」ともいえる人。
私が初めてアルバイトをした大手居酒屋チェーン店での店長さんなんです。
もし、初めてのアルバイトで武市さんに出会っていなかったら、こんなに接客業が好きになってはいなかったんじゃないかな。
武市店長は、接客だけじゃなく、人の動かし方や、お店のまわしかた、忙しい時、時間がある時の上手な店舗運営なんかも、みっちり教えてくれて、働く楽しさを感じさせてくれる人だったんです。
そんな武市店長が「居酒屋やるんだけれど、一緒にやらないか?」って誘ってくれて。
最初のアルバイトは、大学に入学するにあたって、使用する最寄り駅が変わったので、辞めてしまっていたんです。その後始めた、ホテルでの接客のアルバイトもなんだかしっくりこなくて、行き詰まりを感じていました。
「とりあえず、面接だけでもいいから来てよ」と言われたので、行ってみたら、いつの間にか、一緒に働くことになっていました。(笑)
お店がオープンする前から働き始めたので、掃除を手伝ったり、ディスプレイを一緒に考えたりしました。一緒にお店をつくりあげる喜びを味わうことができたのは、よい経験だったと思います。

人の意見に耳を傾ける
現在は、上野店と、本郷三丁目店で働いています。接客が主な仕事になるのですが、上野店では店舗規模もそんなに大きくはないので、お客様がご来店されてから、会計まで全ての接客を任されています。
新人さんが入ってきたときは、指導する立場にもなります。これは本当に難しいですね。ただ形だけ教えても、お客様におもてなしの心が伝わりませんから。
それに、私がいいと思っていることでも、相手がいいと感じて行動してくれないと意味がないんです。だからまずは、相手が自分で考えて自主的に動くように促しています。
「どのようにしたらお客様をもてなすことができるか」だけを考えて行動してもらう。
その上で、いいところはどんどん褒めるし、もちろん自分自身も見習う。そして改善点も伝えるようにしています。
人を指導する立場になって、気付いたことですが、歳をとっても年齢に関係なく、人の意見に耳を傾けられる人間でありたいと思うようになりました。
今はまだ自分が教わることが多い立場なので、先輩の意見を素直に吸収できるんですけど、後輩が増えていった時に、だんだんと、多分経験に基づいて「これはこうじゃないから」と、素直に聞けなくなってくると思うんですよ。
でもよく考えたら、後輩が言うことの方が効率がよくていいということもあるかもしれないし、人の意見にきちんと耳を傾けられる自分でありたい。
新人さんが0から、築きあげようとすることは、自分も通ってきた道なんですよね。そしてそこには、自分とは違う新たな発見があるかもしれない。そういうのを、きちんと活かしてあげたいと考えています。

「全てがおもてなしになる」
「工夫をこらして相手のことを想えば、全てがおもてなしとなる」
これは学校の授業でDVDを見ていた時にでてきた言葉なんですけれど、すごくいい言葉だなと思って、心に刻んでいます。
例えば、お客様のことについて気付いたことを伝える。
大きな荷物を持っている人がいれば、「今日は出張帰りですか?お疲れ様です。」と声をかけたり、髪型が変わった人がいたら、「髪、切りましたか?」とたずねてみたり。
本当に些細なことですけれど、お客様は喜んでくださいますよ。
「自分のことを見てくれているんだ」という気持ちを持っていただくことで、お客様にとって、そこが簡単に居心地のよい場になったりするんですね。
それから、上野店では、手書きの伝票を使用しているので、お渡しする時にはメッセージを添えています。
ご予約いただいたお客様なら「ご予約ありがとうございます」という風に書いて、伝票に添えます。時間があれば、もう一言、二言添えたり、イラストを描いてみたり。大した紙じゃないですけれど、丁寧にしまって、持って帰ってくださるお客様がいらっしゃって、嬉しいですね。

どうして居酒屋が好きかというと
私自身、居酒屋という空間がとても好きです。レストランだと、お客さんと接する機会はそんなに多くないですよね。それが居酒屋だと、飲み物や食べ物の追加オーダーが必ずあるので、1テーブルに、何回も足を運ぶことになる。必然的に、お客様と会話する機会がたくさん生まれるわけです。
たくさんお客様と接する中で、なにか感動が生まれるかもしれない。そう思うとなんだかワクワクしませんか?
同じ接客で、ホテルとか旅館とかもいいかなと思った時期もありました。でも、ホテルや旅館っていうのは、非日常の空間なんですよね。そこでのおもてなしよりも、もっと身近なところで、日常的なところで、お客様をおもてなししたい。居酒屋に、ただお酒を飲みにきただけのお客様を、私たちの頑張りによって、「このお店に来てよかったな」、「ここで飲んだら元気になれるから、また行こうかな」などと感じて欲しい。
そういった可能性を秘めた居酒屋という食空間にこだわっているんです。

お客様から元気づけられることも
実は私、あんまりメンタルが強くないんです。よくないなと思いながらも、落ち込んだまま、仕事に行くこともあります。
そんな時は、「人前に立つんだ」「人と接するんだ」「笑顔になろう」「頑張ろう」って、なんとか気持ちを盛り上げてます。でも、心の奥底で、なんでこんなに頑張らなくちゃいけないのと思うこともあるんですよね。
そういう時はすぐにお客さんに見抜かれてしまって「今日は元気ないね」と言われてハッとするんです。
お客様から「そんなこともあるよね、今日は俺たちが元気をあげるから」と勇気付けられると、自分の未熟さを気付かされると同時に、本当にうれしい気持ちになりますね。

アルバイトがきっかけで将来の目標ができた
将来、飲食業界というフィールドで人を育てたいと思っています。飲食店で働くことはどうしても大変だというイメージがつきまとうんですが、飲食店で働く人に、もっと誇りを持って欲しいし、同じ思いで働く仲間を増やしたいです。
そして、そんな仲間が活躍できる場である、お客様をおもてなしする「食空間」をつくりたいという夢があります。
現在大学の3年生なのですが、大学を休学して調理師の専門学校に行っています。
大学はもともと栄養学部に在籍し、食について学んでいました。
でも、将来のことを考えた時に、栄養学について学ぶだけではなくて、実際に調理もできたほうがいいと思うようになりました。
というのも、「よい食空間」とは、料理をつくるキッチンのスタッフや、料理を運んだり接客するスタッフ、全てが力を発揮してこそできると考えているんです。だったら、片方しか出来ないより、両方出来たほうがいいと考えるのは自然な流れでした。

同年代に伝えたい
「頑張らなくてもいい。だけど夢を諦めないで。」
これは私自身へのはげましでもあるんです。
専門学校に通い始めたころから、大学とは生活スケジュールが全く変わってしまったせいか、体調を崩しやすくなってしまいました。
どうしよう、こんな状態でやっていけるのかな?学校も、アルバイトも中途半端にしたくないし・・・、仕事のシフトを減らそうかなと、考えたりもしました。
そこで、少し立ち止まることになって、自分を見つめなおすことができたんですね。
頑張りすぎなくてもいい、自分ができることをゆっくりやっていこうと思いなおしたんです。
今までは、周りを巻き込んで、何が何でもがむしゃらにやろうとしてきたんですが、自分が、落ちこんでしまっている今は、まずは、自分を高めてから、自分が楽しめるようになってから、ゆっくりでいいから、私の思いを伝えていけばいいって。
記者の目
取材終了後、写真撮影時の何気ない雑談の中でも、「階段滑りやすいから気をつけてくださいね」などと、人を気遣う言葉をとても自然にかけてくれた彼女。
短い時間での取材でしたが、渡辺さんの取材外での、言葉や行動からも、「渡辺さんの接客が、お客様にとって居心地のいい場所を作りだしている」ということを感じ取ることが出来ました。
「入り口までお見送りさせてください」と最後まで丁寧に対応してくれた、渡辺さん。
次回は取材ではなく、一顧客としてお会いしたいです。
みなさんも、是非、俺の居酒屋三蔵に訪れてみてくださいね。
俺の居酒屋 三蔵
上野店
住所:東京都台東区東上野3-17-9 B1
TEL:03-5817-5977
営業時間:月〜日 17:00〜24:00
HP:http://r.gnavi.co.jp/e103000/
本郷三丁目店
住所:東京都文京区本郷2-40-14 2・3F
TEL:03-6801-8607
営業時間:月〜日 17:00〜24:00
HP:http://r.gnavi.co.jp/e574600/